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SESSION

セッション詳細

協賛機関セミナー

協賛機関セミナー6/7(火)  12 : 00~13 : 30

A1
研究を促進させるオープンサイエンスとシュプリンガー・ネイチャーの取り組み

Springer Nature


オープンサイエンスは、全ての人々が研究成果や情報にアクセスできるようにし、研究の更なる進展に貢献することを目的とした重要な取り組みです。今年のJOSSでは、オープンサイエンスの実践にあたり、研究者の便宜となる仕組みや活動について3つの発表で紹介いたします。

  • 第1部 『In Review : ジャーナル投稿と統合したプレプリントシステム』(同時通訳付)
    Michele Avissar-Whiting(Research Square編集長, Research Square)
     本セッションではプレプリントの歴史や現在のプレプリントエコシステムを始め、コロナ禍における生命科学のプレプリントの台頭、プレプリントのメリット・課題や研究者、研究機関、研究助成機関のプレプリントに対する考え方にについてご紹介します。また、Research Squareのプラットフォームとジャーナル投稿と統合したプレプリントサービス「In Review」についても解説します。
  • 第2部 『シュプリンガー・ネイチャーにおけるデータ共有推進の鍵となる「Researchers First」』(同時通訳付)
    Graham Smith(Research Data Manager, シュプリンガー・ネイチャー)
     研究データの重要性は今日ますます高まり、研究の成果として公開される研究データや、文献の一部として出版される研究データは共有と利活用が期待されています。
     研究助成機関、出版社、研究機関の方針として、FAIR(Findable Accessible, Interoperable and Reusable)データの重要性が一般的に強調されるようになり、シュプリンガー・ネイチャーでも、研究者の効果的なデータ共有のために支援を行っています。
     本セッションではシュプリンガー・ネイチャーが研究者コミュニティと協力し、どのようにデータのベストプラクティスを支援しているか、また、データ共有を推進し、達成するためには研究者を第一に考えること(Researchers First)が鍵となることを概説します。
  • 第3部 『OA書籍出版の魅力と企画から出版までのプロセス』
    河上 自由乃(シニア・エディター, 書籍編集部(経済・ビジネス・国際政治・法律), シュプリンガー・ネイチャー)
     オープンアクセス(OA)書籍の魅力とパフォーマンス、シュプリンガー・ネイチャーにおけるOA書籍の推移と現状、Gold OAとGreen OAの違い、OA書籍の主なライセンス・タイプ、財源、企画から出版までの工程、PR方法の紹介などについて解説します。

協賛機関セミナー6/9(木)  12 : 00~12 : 30

A2
研究データポリシーの策定を支援、推進する機関研究データの自動追跡・監視ツール「Data Monitor」

Elsevier


2021年に閣議決定された第6期科学技術・イノベーション基本計画で、「機関リポジトリを有する全ての大学・大学共同利用機関法人・国立研究開発法人において、2025年までに、データポリシーの策定率が100%になる」ことが目標とされ、研究データポリシー策定の検討を進める大学が増えてきています。一方、世界的に公開研究データが外部リポジトリに保存されている割合は9割にものぼると言われ、研究データポリシー策定の前提となる現状把握の調査をする上で、大学・研究機関が研究者が利用する何千もの公開データリポジトリを手作業でトラッキングすることは大きな負担となります。また、データポリシー策定後も大学が発表した論文が、大学や助成機関のデータポリシーに準拠していることの確認は容易ではありません。エルゼビアでは、この課題の解決の一助となるように、機関に紐づく研究データの一括検索を可能にする研究データの自動追跡・監視ツールとしてData Monitorを提供しています。
本セッションでは、実際のデモを交え、Data Monitorの概要および主な利用ケースをご紹介いたします。

市民科学

市民科学6/10(金)  18 : 00~19 : 30

B1
オープンサイエンスのサイロエフェクトを打破するために:シチズンサイエンスと超学際研究からのアプローチ
Break down the silo effect in open science: Approaches from citizen science and transdisciplinary research

近藤 康久
Yasuhisa Kondo


オープンサイエンスを推進する上で、関与者のマインドセットを変革する必要性が指摘されている。そこには自分の所属分野で業績を評価されたい(されなければならない)という、心理的に分野に閉塞した「サイロエフェクト」がかかっているように見て取れる。
本セッションでは、シチズンサイエンスと超学際(トランスディシプリナリー)研究の視点を交えて、オープンサイエンスの「サイロエフェクト」を打破するための方策を議論したい。

登壇者:

  • 高瀬 堅吉(中央大学)
  • 池内 有為(文教大学)
  • 村山 泰啓(情報通信研究機構)

コメンテーター:

  • 林 和弘(文部科学省科学技術・学術政策研究所)

B1 セッション動画

図書館・博物館・大学でのデータ管理

図書館・博物館・大学でのデータ管理6/7(火)  16 : 00~17 : 30

C1
大学博物館の多様な"つながり"とオープンサイエンスの可能性
Diverse connections between university museums and the potential of open science

堀井 洋(合同会社AMANE)
Hiroshi HORII(AMANE.LLC)
齊藤 有里加(東京農工大学科学 博物館)
Yurika SAITO(Tokyo University of Agriculture and Technology)


大学博物館に対しては、大学内部のみにとどまらず、地域・社会に対して学術資料の価値や魅力を「わかちあう」ことが期待されている。一方、コロナ禍や法制度の見直しなど、大学博物館を取り巻く社会状況は急速に変化している。
本セッションでは、大学博物館間および民間企業や市民団体などの外部組織と連携することにより生まれる多様な大学博物館の可能性について、オープンサイエンスの視点から議論したい。デジタルアーカイブ構築・活用の事例や企画進行中の連携案など、アイデアから成果まで幅広く共有することで、大学博物館における今後の新しい動きの創発を期待する。

C1 セッション動画

図書館・博物館・大学でのデータ管理6/9(木)  18 : 00~19 : 30

C2
アカデミックデータ・イノベーション成熟度モデルによる若手研究者のための教育学習支援システムの開発
Development of teaching and learning system for young researchers using academic innovation maturity model

梶田 将司(京都大学 情報環境機構 IT企画室)
Shoji Kajita(Institute of Information Management and Communication)


京都大学アカデミックデータ・イノベーションユニット(通称「葛ユニット」)では、大学における学術研究のライフサイクルに沿った研究データの蓄積・共有・公開および長期保管を通じて、研究者自らがRDMスキルを高められるとともに、研究データを軸とした研究コミュニティ形成や異分野連携を可能にするアカデミックデータ・イノベーション成熟度モデルを開発している。この成熟度モデルは、(1)研究者であれば誰もが日常的に行う基本RDMスキル、(2)分野ごとに特有のRDMスキル、(3)分野横断型のイノベーションを創発するRDMスキル、の3つのスキル及びこれらのスキル開発方法論により構成され、文系から理系、基礎系から臨床系、実験室系からフィールド系、セキュアデータ管理系からオープンデータ推進系等、多様な分野の研究者が集う京都大学を実証フィールドとして成熟度モデルをグローバルスタンダードを取り入れながら「若手研究者向けRDMスキル開発のための教育学習支援システム」として開発している。
本セッションでは、本教育学習支援システムを紹介するとともに運用に向けた課題を国内外のパネリストから提起することで、大学の枠を越えた多様な研究者による利用に向けた議論をセッション参加者とともに深める。

C2 セッション動画

図書館・博物館・大学でのデータ管理6/10(金)  14 : 00~15 : 30

C3
機関リポジトリでの研究データ公開に向けたグループディスカッション
BoF - Group discussion on publishing research data in institutional repository

南山 泰之(国立情報学研究所)
Yasuyuki Minamiyama(National Institute of Informatics)


研究データの公開に際しては、データ公開可否の判断、公開のためのインフラ選択、保存や再利用を見据えたフォーマットの変換、メタデータ付与といったいくつかのステップが存在する。機関として適切な研究データ公開を行うためには、各ステップにおいて実施すべき手順を関係者間で合意していく必要があるものの、国内大学・研究機関における標準的なサービスモデルはいまだ模索段階にある。
本セッションでは、研究データを公開するステップを具体的に設定し、各ステップで実施すべき手順は何か、誰がどのように実施すればよいか、といった議論を行う。参加者は、事前に設定されたブレイクアウトルームへ入室し、各ステップで実施すべき事項の洗い出しや課題への対応についてグループディスカッションを行う。セッションの後半ではグループディスカッションの結果を共有し、標準的な研究データ公開フローのモデル化について議論する。

ファシリテーター:

  • 朝岡 誠(国立情報学研究所)
  • 芦北 卓也(九州大学)
  • 小野寺 千栄(国立研究開発法人 物質・材料研究機構)
  • 熊崎 由衣(千葉大学)
  • 林 正治(国立情報学研究所)

セッション詳細

グループディスカッションへの参加(最大50名)を希望される方は、トップページからのJOSS2022参加申込に加えて、6月6日(月)17時までに別途メールでの申込が必要です。
詳細は上記リンク先をご参照ください。

C3 セッション動画

図書館・博物館・大学でのデータ管理6/10(金)  16 : 00~17 : 30

C4
国立国会図書館デジタル化資料データ(画像・テキスト)の使い道:90分アイデアソン
90-minute Ideathon: How to Use the NDL’s Digitized Data (image and text)

大向一輝(東京大学大学院 人文社会系研究科 准教授)
Ikki Ohmukai(Graduate School of Humanities and Sociology, the University of Tokyo)


国立国会図書館は、所蔵するほぼ全てのデジタル化資料のOCR処理によるテキスト化を進めており、令和3年度は明治期以降の図書・雑誌等約247万点(2億2300万画像)のテキストデータを作成した。作成したテキストデータのうち、著作権保護期間が満了した資料のテキストは、次世代デジタルライブラリーに搭載して本文検索が可能になっている。また、全てのテキストは、令和4年12月リリース予定の次期「国立国会図書館デジタルコレクション」の全文検索にも利用される予定である。本文検索利用以外に、この膨大なテキストデータの使い道としては、例えば、新たな情報探索のためのサービス開発、テキストマイニングを用いた研究利用などが考えられる。また、当館のデジタル化資料を使ったデータとしては、本文テキスト以外にも、資料画像から自動抽出した、図表・挿絵・写真等の図版のデータもある。
これらの膨大なデータセットの活用可能性について、参加者みんなで討論して考えるためのアイデアソンを開催する。

セッション詳細

アイデアソンへの参加(最大20名)を希望される方は、トップページからのJOSS2022参加申込に加えて、6月6日(月)17時までに別途メールでの申込が必要です。
詳細は上記リンク先をご参照ください。

C4 セッション動画

テクノロジー・規格・標準化

テクノロジー・規格・標準化6/7(火)  10 : 00~11 : 30

D1
Information Standards and the Global Research Infrastructure

Yasushi Ogasaka(Managing Director, Department of International Strategy, Japan Agency for Medical Research and Development (AMED))


Information standards — from accessibility to XML — are a critical element of the global research infrastructure. The US-based National Information Standards Organization (NISO) plays an important role in creating and maintaining many key standards. This includes working with the global information community to identify new and changing needs, and to develop standards and recommended practices to meet those needs — technical specifications, taxonomies, workflows, and more. These are then made openly available to enable widespread and consistent implementation across the global research infrastructure, by libraries, publishers, and infrastructure/service providers.

This session provides an overview of information standards in general, interactions with the Japanese information community, and, specifically, NISO standards — why they are needed, how they are developed, and how they are being used. This includes the role of the new annual NISO Plus conference in identifying new and emerging standard requirements, and an in-depth look at several information standards, both existing and in development. You will also learn how you can get involved in NISO’s work, including helping identify new areas of need, volunteering for a working group, or sharing your experience of implementing standards in your own organization.

Following short presentations from each speaker, Dr Yasushi Ogasaka will lead a panel discussion. Simultaneous translations in English and Japanese will be provided.

Speakers List:

  • Makoto Murata (Project Professor, Keio University)
  • Mary Sauer-Games (Vice President of Global Product Management, OCLC and NISO Board Chair)
  • Jason Griffey (Director of Strategic Initiatives, NISO)
  • Ritsuko Nakajima (Director, Department for Information Infrastructure, Japan Science & Technology Agency)
  • Alison McGonagle O’Connell (Consultant and Jodi Schneider, Assistant Professor, University of Illinois at Urbana Champaign)

D1 session movie

テクノロジー・規格・標準化6/7(火)  14 : 00~15 : 30

D2
研究データへのDOI登録
DOI Registration for Research Data

白井 知子(国立環境研究所(NIES) 室長)
Shirai, Tomoko(Head, National Institute for Environmental Studies)


DOI(デジタルオブジェクト識別子)登録機関であるJaLC(ジャパンリンクセンター)が「研究データへのDOI登録実験プロジェクト」(2014-2015)を立ち上げ、成果物として「研究データへのDOI登録ガイドライン」を取りまとめてから6年が経過した。当時、研究データへのDOI登録に関して、日本においてはほとんど知見が無い状態であったが、その後、国内においても研究データへのDOI登録に関する運用経験の蓄積が進みつつある。オープンサイエンスの拡大や、引用など学術成果としての活用において、研究データへのDOI登録の重要性は今後ますます高まると考えられる。
本セッションは、RDUFの「研究データへのDOI登録促進」小委員会およびJDARN部会が合同で企画したもので、研究データへのDOI付与が持つ意味について改めて考えるとともに、DOI登録の事例共有を通して、今後の課題や、改訂作業中のDOI登録ガイドラインに盛り込むべき内容ついて、様々な分野・立場の方々と議論・意見交換を行いたい。

プログラム:

 前半

  • 講演1:「FAIR原則の紹介」(8分)武田英明(NII)
  • 講演2:「分野・コミュニティによるデータ公開の捉え方の温度差」(8分)林和弘(NISTEP)
  • 事例紹介:「オープンデータの功績:COVID-19パンデミック事例」(2分)白井知子(NIES)
  • 意見交換:各分野でのデータ公開関連の動向など(10分)

 後半

  • 講演3:「ライフサイエンスにおけるDOI登録 ~糖鎖における事例~」(10分)山田一作(野口研)
  • 講演4:「NIMS Materials Data Repositoryにおける研究データへのDOI登録運用」(10分)松田朝彦(NIMS)
  • 講演5:「研究データへのDOI登録ガイドライン改訂について」(10分)中島律子(JST)

 総合討論:研究データDOI登録でわからないこと・困っていること・DOI登録のインセンティブなど(約30分)

参加者の皆様からのご質問・ご発言を歓迎します。(講演中もチャット欄にご記入頂けます。)

登壇者:

  • 武田 英明(国立情報学研究所 (NII) 教授)
  • 林 和弘(文部科学省 科学技術・学術政策研究所 室長)
  • 山田 一作(公益財団法人 野口研究所 室長)
  • 松田 朝彦(国立研究開発法人 物質・材料研究機構 (NIMS) エンジニア)
  • 中島 律子(科学技術振興機構 (JST) 情報基盤事業部長)

D2 セッション動画

テクノロジー・規格・標準化6/8(水)  14 : 00~15 : 30

D3
オープンサイエンス時代の知の共有を支える - メタデータ流通ガイドライン
Supporting the sharing of knowledge in the open science generation:the Guidelines for Metadata Distribution in Japan

関根 美穂(国立国会図書館 電子情報部 電子情報流通課長)
SEKINE, Miho(National Diet Library)


現在、図書館や学術機関の扱う情報資源は多様性を増しており、情報資源の流通基盤となる各システム・サービスがメタデータをどのように設計し、流通させるかという視点が重要になっている。
国立情報学研究所(NII)・科学技術振興機構(JST)・国立国会図書館(NDL)連絡会議の下に設けられた「メタデータの相互運用性に関する検討ワーキンググループ」において、NDLとオープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)・これからの学術情報システム構築検討委員会(これから委員会)・NIIが共同で作成した「メタデータ流通ガイドライン」が令和4年3月18日にドラフト版として公開された。
メタデータ流通ガイドライン」はメタデータの作成・整備に関わる各機関の職員が、メタデータの設計・流通経路を検討するためのツールである。
本セッションでは、「メタデータ流通ガイドライン」の策定の背景や概要、今後のスコープなどについて発表し、デジタルアーカイブや研究データを含む多様な情報資源の発見可能性と活用可能性を高めるための方法や今後の課題、展望について議論を行う。

進行・ディスカッションモデレータ:

  • 原田 隆史(国立国会図書館 非常勤調査員、同志社大学 免許資格課程センター 教授)

登壇者(登壇予定順):

  • 河口 由佳(国立国会図書館 電子情報部 電子情報サービス課)
  • 片岡 朋子(JPCOAR コンテンツ流通促進作業部会, お茶の水女子大学 図書・情報課 主任)
  • 飯野 勝則(これから委員会 システムワークフロー検討作業部会, 佛教大学 図書館専門員(研究推進部 図書課長補佐))
  • 大波 純一(NIIオープンサイエンス基盤研究センター 特任准教授)

発表資料及びアンケートに寄せられた質問への回答は「メタデータ流通ガイドライン:説明会・報告書類」のページに掲載しています。
  → メタデータ流通ガイドライン:説明会・報告書類

D3 セッション動画

テクノロジー・規格・標準化6/9(木)  16 : 00~17 : 30

D4
研究データの品質表示を考える
Exploring quality labeling of research data

南山 泰之(国立情報学研究所)
Yasuyuki Minamiyama(National Institute of Informatics)


研究データの品質を理解するための情報は、一般に論文や専門分野のデータリポジトリに記述されており、第三者が研究データを理解する際のハードルが高い。分野を超えた研究データの利活用を促進するためには、利用者が研究データの品質を容易に理解するための取り組みが必要である。
本セッションでは、研究データの品質表示をテーマに議論を行う。まず、関連する取り組みとして、アカデミア内外でのデータの品質表示にまつわる有識者の議論を紹介する。さらに、研究データの標準的な品質表示を実現するための取り組みについて議論する。

  1. 趣旨説明
      → 発表資料
  2. 話題提供
    • 飯室 聡(国際医療福祉大学)
      「研究データの公正性を担保するための基本的な考え方」
        → 発表資料
    • 下山 紗代子(一般社団法人リンクデータ)
      「ガバメント・オープンデータの品質管理に向けた取り組み」
        → 発表資料
    • 岡山 将也(研究データ利活用協議会(RDUF))
      「企業データの観点から見たデータ品質と保証についての必要性」
        → 発表資料
  3. ディスカッション

D4 セッション動画

テクノロジー・規格・標準化6/10(金)  10 : 00~11 : 30

D5
オープンサイエンス基盤の構築事例と標準技術
Case Studies of Open Science Infrastructure Construction and Standard Technologies

込山 悠介(国立情報学研究所)
Yusuke Komiyama(National Institute of Informatics)


オープンサイエンスを促進するための学術研究プラットフォームの開発が国内外の各学術機関で進んでいる。しかしながら、組織の研究データポリシーの整備が進む中で、プラットフォーム開発者は同時にシステム設計・構築を行わなければならない局面に立たされている。専門分野・領域が異なる学術研究プラットフォームでも共通化・標準化を考慮しながら、システム設計を行う事で直近の課題を乗り越えつつも、将来、異分野融合研究を含めたオープンサイエンスを実現する事ができると考える。
本セッションでは学術研究プラットフォームの研究開発職、情報基盤センターの技術職員の方を対象として、外部から研究DXのITシステムや実験装置の専門家を招き、2022年度の時点での各学術機関でのプラットフォームの構築状況と事例を紹介。学術研究プラットフォームの標準化や実験装置連携に必要な要素をシステム面から議論する。

登壇者:

  • 込山 悠介(国立情報学研究所)
    「国立情報学研究所の研究データ基盤」
  • 藤原 寛太郎(東京大学)
    「未病データベース構築に向けた研究データ基盤の管理・利活用」
  • 平木 俊幸(理化学研究所)
    「SPring-8データセンター構想」
  • 研究基盤協議会
    佐々木 隆太(共用システム・IR部会, 北海道大学)、荒砂 茜(共用システム・IR部会, 東海大学)、松平 拓也(金沢大学)
    「研究機器・設備の共用の観点から見た研究データ管理基盤の重要性 ~金沢大学での構築事例をもとに~」

D5 セッション動画

分野におけるデータ公開・管理

分野におけるデータ公開・管理6/6(月)  10 : 00~11 : 30

E1
研究データの「新しい見つけ方」を考える
Imagine the next-generation discovery system of research data

大波 純一(国立情報学研究所)
Jun-ichi Onami(National Institute of Informatics)


日本の学術研究において、研究データの登録と公開は一般的になり、それらを使ったデータ駆動型研究も盛んに実施されている。この一方、公開されたデータから、利用者が求める情報を「発見」するプロセスは、基盤技術の発達や提供者の努力にも関わらず複雑で困難な道のりとなっている。この理由として、

  • 研究データの肥大化(ストレージサーバや検索インデックスの巨大化)
  • 研究データの多様化(実験データだけでなく機械学習による推測データや新解析機器の出力データなど)
  • 公開データのフォーマットの多様化(様々な学術スキーマ、オントロジーの存在)
  • 利用者の要求の高度化(研究データや論文だけでなく、研究ワークフローや関係性への需要)

などが考えられる。
本セッションでは「新しいタイプの研究データ発見」が散見されるバイオの現場から、これらの課題を紐解き、どのように解決しうるかを議論する。

登壇者(登壇予定順):

  • 大波 純一(国立情報学研究所 オープンサイエンス基盤研究センター 特任准教授)
  • 川本 祥子(国立遺伝学研究所 系統情報研究室 准教授)
  • 小野 浩雅(ライフサイエンス統合データベースセンター 特任助教)
  • 川嶋 実苗(国立研究開発法人科学技術振興機構 NBDC事業推進部 研究員)

E1 セッション動画

分野におけるデータ公開・管理6/6(月)  16 : 00~17 : 30

E2
地域学術資料継承におけるオープンサイエンスを考える
Session on Open Science in the Inheritance of Regional Academic Materials

堀井 洋(合同会社AMANE)
Hiroshi HORII(AMANE.LLC)
後藤 真(国立歴史民俗博物館)
Makoto GOTO(National Museum of Japanese History)


日本国内には、文書や民具など多様かつ豊富な学術資料が現存しており、それらは学術研究の観点のみならず、教育や産業など社会の発展に資する重要な資源である。しかしながら、急速に進む地方都市の過疎化・高齢化および地震や台風などの大規模自然災害の影響により、地域に現存する学術資料(地域資料)の保存・継承に関する状況は厳しさを増していることから、オープンサイエンスなどの新たな概念・アイデアの導入やそれらに基づいた取り組みの実践が求められている。提案者らは奥州市その他の自治体と連携した「産学官連携に基づいた地域資料継承支援事業」を2020年から実施しており、地域における資料の所在把握やその概要に関する情報公開に取り組んできた。
本セッションは、合同会社AMANE・国立歴史民俗博物館・各自治体からの共同提案セッションとして開催し、地域資料継承に向けたオープンサイエンスが果たす役割と相互の関係・今後の展開について、事例の紹介とともに議論したい。

E2 セッション動画

分野におけるデータ公開・管理6/9(木)  10 : 00~11 : 30

E3
研究プロジェクトにおけるオープンサイエンス、その議論と実践例について
Open science, its discussions and practices in research projects

村山 泰啓(情報通信研究機構)
Yasuhiro Murayama(National Institute of Information and Communications Technology (NICT))


The session topics will include discussions of the concept and policy of Open Science and FAIR data sharing, and practical and/or potential tools and methodology to implement them for research projects. Activity in the background is the project “PARSEC” (“Building New Tools for Data Sharing and Reuse through a Transnational Investigation of the Socioeconomic Impacts of Protected Areas”) as awarded by CRA-SEI (collaborative research action of Science-driven e-infrastructure innovation; funding 2019-2022), Belmont Forum (which is an international partnership of funding bodies for environmental research (JST is a member from Japan).
The session language is English in principle.

Session Agenda: each talk is 15min including Q&A.

  1. Shelley Stall (American Geophysical Union, USA)
    "Open Science: Enabling science and research data to be more interoperable and reusable (TBD)"
  2. Alison Specht (University of Queensland, Australia)
    "The use of controlled, accepted, preferably multi-lingual vocabularies can help achieve open-science outcomes"
  3. Yasuhisa Kondo (Research Institute of Humanity and Nature, Japan)
    "Collaborative research during the COVID-19 pandemic and beyond"
  4. Nobuko Miyairi (Scholarly Communications Consultant; independent/NICT visiting researcher)
    "RDA national PID strategies WG: discussion so far"
  5. Kazuhiro Hayashi (National Institute of Science and Technology Policy (NISTEP), MEXT)
    "Scholarly Communication transformed by COVID-19 and the current situation in Japan"
  6. Yasuhiro Murayama (National Institute of Information & Communications Technology (NICT), Japan)
    "A Consideration on Financial Sustainability of Research Data Repository"

E3 session movie

政策・ポリシー

政策・ポリシー6/6(月)  18 : 00~19 : 30

F1
オープンサイエンス政策の広がりと実際
Open Science Policy as a Global agenda, its vision and implementation

林 和弘(文部科学省 科学技術・学術政策研究所)
Kazuhiro HAYASHI(National Institute of Science and Technology Policy (NISTEP))


オープンサイエンス政策はユネスコの勧告が出ることによって、世界共通の課題となり、また、その概念整理も進んでいる。その一方で、その実践においては、先行しているとされる国でも依然試行錯誤が続いている。
本セッションでは、特に内閣府、文部科学省を中心とした現在の取組を共有し、オープンサイエンスが指向する科学の変容がどのようなものになりうるかについて、2022年での見通しを議論することを目的とする。

登壇者:

  • 林 和弘(文部科学省 科学技術・学術政策研究所)
    「本セッションの趣旨説明とユネスコオープンサイエンス勧告について(仮)」
  • 赤池 伸一(内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局 参事官 / NISTEP上席フェロー)
    「オープンサイエンスと研究データ基盤整備に関する内閣府の取組と課題(仮)」
  • 神部 匡毅(文部科学省 研究振興局 参事官(情報担当)付参事官補佐)
    「研究DXの推進について」
  • 一杉 太郎(東京大学大学院 理学系研究科 教授)
    「化学・材料科学研究の現場から(仮)」

ディスカッション:参加者との対話

F1 セッション動画

オープンアクセス・オープンデータ活用

オープンアクセス・オープンデータ活用6/8(水)  10 : 00~11 : 30

G1
CHORUS/JST JOSS2022フォーラム - 研究の健全性・公正性
CHORUS/JST JOSS 2022 Forum - Research Integrity

小賀坂 康志(日本医療研究開発機構 (AMED))
Yasushi Ogasaka(Managing Director, Department of International Strategy, AMED)


研究の健全性や公正性は、信頼性の高い研究を進めるための基本となるものです。研究は、その方法論や結論に基づいて他の研究者が研究を積み上げることができるよう、高い信頼性を持たなければならず、またその結果社会に裨益しその進歩に資するように行われなければなりません。「研究公正」にはポジティブな側面も多くある一方で、以下の3つの行為によって研究の成果が損なわれてしまう可能性があります。

  1. 研究不正(捏造、改ざん、盗用)
  2. 研究プロセスの記録の不備や論文への不十分な記載による再現性の欠如
  3. 論文の編集・査読プロセスにおける正当性や堅牢性の不備

これらの課題は従来から認識されていたものの、オープンサイエンスの普及に伴い新しい形で顕在化してきたと言えます。
こうした認識を踏まえこのセッションでは、5人の講演者から成るパネルにより、さまざまな観点からこれら3つの問題について議論します。

このセッションのモデレーターは小賀坂康志(AMED)が務めます。

Integrity is fundamental to advancing trusted research. Research must be conducted in such a way that allows others to have confidence and trust in the methods and findings on which others can build their research, and so that research results can be translated for societal benefit and advancement. Whilst there are many positive components of research integrity, there are three fundamental ways in which the research record can be undermined:

  1. Research fraud through fabrication, falsification, and plagiarism.
  2. Lack of reproducibility due to improper recording and/or reporting of research procedures.
  3. Insufficient vigour or robustness in editorial and peer-review processes.

This JST/CHORUS Forum brings together a panel of speakers to present their views on research integrity and to discuss how to manage and address these problems from their different perspectives:

Following short presentations from each speaker, Dr Yasushi Ogasaka will lead a panel discussion.
Simultaneous translations in English and Japanese will be provided.

Speakers List:

  • Shigeo Koyasu (Executive Director, RIKEN)
    "Towards Open Science at RIKEN"
  • Akira Shinohara (Board Member, APRIN (The Association for the Promotion of Research Integrity); Professor, Osaka University)
    "Encouraging High Values of Integrity in the Research Environment"
  • Todd Carpenter (Executive Director, NISO)
    "Ensuring High Ethical Standards in the Published Records of Research"
  • Patrick Franzen (Director, Publications and Platforms, SPIE; Board Member, COPE)
    "Versions of Research Output and Research Integrity"
  • Masaki Satoh (Chief Editor Journal of the Meteorological Society of Japan; Professor, The University of Tokyo)
    "How Preprints Aid the Dissemination of Research Results"

Panel Discussion:
Yasushi Ogasaka (Managing Director, Department of International Strategy, AMED)
Following short presentations from each speaker, Dr Yasushi Ogasaka will lead a panel discussion.

G1 session movie

オープンアクセス・オープンデータ活用6/8(水)  18 : 00~19 : 30

G2
オープンサイエンスのための研究文化としての包括的で公正な研究評価
Inclusive and Fair Research Assessment as Research Culture for Open Science

アンデーシュ・カールソン(エルゼビア Vice President, Global Strategic Networks)
Anders Karlsson(Vice President, Global Strategic Networks, Elsevier)


研究のデジタルトランスフォーメーションが加速し、共同研究、オープン化、学際化が進展する中、資源配分のための研究評価が世界的に注目されています。
本セッションでは、オープンサイエンスの一環としての研究評価について、人文・社会科学、社会的インパクト、国際社会の一員としての日本の進むべき方向性などをテーマに、専門家をお招きして議論します。

(※ 日英同時通訳付き)
(※ Zoomを使って同時通訳機能をご利用いただくためには、ブラウザからではなくZoomアプリよりご入室ください。アプリがご自身のパソコンにインストールされていない方はこちらから事前にインストール、アカウントの作成をお願いいたします(無料))

Research Assessment for resource allocation is becoming a global hot topic as research is undergoing digital transformation becoming more collaborative, open and multidisciplinary.
The session will gather leading experts to discuss research assessment as part of open science, addressing among topics humanities & social sciences, societal impact and a way forward for Japan as part of the international community.

(* Bilingual simultaneous interpretation English ⇔ Japanese will be available for the session)
(* Please join from the Zoom app to listen to interpretation. You will not be able to listen to interpretation if you participate through your web browser.)

登壇者:

  • Gaby Haddow(Associate Professor, Curtin University)
  • 藤井 翔太(大阪大学 社会ソリューションイニシアティブ(SSI)准教授)
  • Angela McGuire(エルゼビア Collaboration Manager - Research Evaluation Associate, International Center for the Study of Research)

Speakers List:

  • Gaby Haddow (Associate Professor, Curtin University)
  • Shota Fujii (Associate Professor, Social Solution Initiative, Osaka University)
  • Angela McGuire (Collaboration Manager, Elsevier - Research Evaluation Associate, International Center for the Study of Research)

個人発表セッション

個人発表セッション6/6(月)   14 : 00~15 : 30

H1
個人発表セッション-1


  • 林 和弘(科学技術・学術政策研究所)
    「オープンサイエンスの潮流にみるシチズンサイエンスの変容と”Scitizen Science”の可能性」
  • 亀田 尭宙(国立歴史民俗博物館)
    「Wikidataを用いたデジタル研究資源目録のオープン化」
  • 池内 有為(文教大学, 科学技術・学術政策研究所),
    大森 悠生(筑波大学大学院, 科学技術・学術政策研究所),
    林 和弘(科学技術・学術政策研究所)
    「オープンサイエンスの効果とインセンティブ:"State of Open Science in Japan" 調査から得られた示唆」
  • 加藤 斉史(科学技術振興機構)
    「プレプリントサーバ「Jxiv」の運用開始」

個人発表セッション6/9(木)   14 : 00~15 : 30

H2
個人発表セッション-2


  • 岡田 大二朗(科学技術振興機構)
    「科学技術振興機構(JST)におけるオープンサイエンス基本方針の改定」
  • 池田 めぐみ(東京大学)・谷口沙恵(東京大学)
    「新型コロナウイルス感染症 感染拡大状況におけるSSJデータアーカイブの役割」
  • 胡中 孟徳(東京大学)
    「SSJデータアーカイブにおけるリモート集計システム開発の試み」